再生医療のグローバルスタンダード化が進んでいます

2017年10月、京都市で「薬事規制当局サミット」(Summit of Heads of Medicines Regulatory Agencies)と「薬事規制当局国際連携組織」(ICMRA:International Coalition of Medicines Regulatory Authorities)の会合が開かれました。

2006年に始まった同サミットは毎年開催されており、日本では初めての開催です。

一方ICMRAは2012年から活動を開始し、国際連携プロジェクトを実施してきました。来年の2018年からは両者が統合され、ICMRAサミットとして開催される予定です。

それぞれのサミットや組織の目的は以下の通りです。

薬事規制当局サミット:
医薬品・医療機器制度の在り方、審査手続き、市販後調査等の課題について意見交換する場。

薬事規制当局国際連携組織:
国際活動の優先順位や活動の重複による無駄の排除等を議論する場。

つまり、各国でも規制が整っていない今、最初からグローバルスタンダードを作ろうという動きです。

今年は、日、米、欧、中、ブラジルなど30を越える国と地域の薬事規制当局の責任者が参加し、医薬品・医療機器・再生医療等のイノベーションを主要テーマとし、薬事規制の在り方、審査手続き、市販後調査、製品の安定供給、危機管理等の様々な課題について意見交換が行われ、再生医療等製品に関する規制の調整を各国間で進めることなどが決まりました。

また、リアルワールドデータ(RWD: Real World Data)についても、収集、標準化、エビデンスへの利用等につきさらなる検討が必要だという議論もありました。

リアルワールドデータ(RWD)とは、実診療行為に基づくデータ、またはそのデータベースのことで、レセプト(診療報酬請求)や、DPC(包括医療費請求)データ、診療録(電子カルテ)、健診データなどが扱われています。

これまで新薬承認に際しては、大規模な患者集団を対象としたランダム化比較試験(RCT)が行われるのが常でしたが、信頼性が高い一方で、時間もコストもかかるため、価格に影響を与えていました。

その点、RWDを製造販売後の安全対策に活用すれば、コスト削減が見込めるとのことです。

RWDを信頼して使用するためには、収集・標準化・実証・検証などのプロセス、レジストリなどの基盤整備が必要なことも認識されています。

厚労省は10月、医薬品の条件付き早期承認制度を導入しました。
早期に患者に革新的医薬品を届けるための制度ですが、患者に届くには、価格も大きな意味を持ちます。
今、国内外で疾患レジストリの整備やRWDの活用に着目した取り組みが進められています。

電子カルテやレセプトデータなどは、まだまだ標準化には至っていませんが、国や地域を越えてデータベースを共通化する考えが出始めていることも確かです。

そして、サミットにおいては薬剤耐性菌対応のための抗菌薬開発促進や偽造薬対策についても検討がされました。
モニタリングのスタンダード化も含め、グローバル化の動きはますます加速していくことでしょう。

一方、日本における再生医療周辺産業のマーケットは、まだまだ国内に限定されているので、市場規模拡大のためには海外へ進出していくことが重要です。

マーケット拡大だけではなく、日本の関連機関が、品質・安全性・有効性に関する規格や制度のグローバルスタダード化の旗振り役として、どんどん進めて欲しいと期待する声も増えています。

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