「がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)」 今秋に指定要件報告

2017年8月23日、第1回がんゲノム医療中核拠点病院(仮称)等の指定要件に関するサブワーキングループ(資料)が公開されました。
 


がんゲノム医療の実施に必要な要件として、下記の8項目が挙げられています。(厚生労働省 公開 2017年8月23日 資料4)

  • 1. パネル検査を実施できる体制がある(外部機関との委託を含む)
  • 2. パネル検査結果の医学的解釈可能な専門家集団を有している
  • 3. 遺伝性腫瘍等の患者に対して専門的な遺伝カウンセリングが可能である
  • 4. パネル検査等の対象者について一定数以上の症例を有している
  • 5. パネル検査結果や臨床情報等について、セキュリティが担保された適切な方法で収集・管理することができ、必要な情報については「がんゲノム情報管理センター」に登録する
  • 6. 手術検体等を新鮮凍結保存可能な体制を有している
  • 7. 先進医療、国際共同治験も含めた医師主導治験等の実施について適切な体制を備えており、一定の実績を有している
  • 8. 医療情報の利活用や治験情報の提供等について患者等にとって分かりやすくアクセスしやすい窓口を有している
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    このサブワーキンググループの中で、委員の意見として、米国のCLIA基準などゲノム解析の品質保証下での実施体制の構築が必要である、遺伝子関連検査等を実施する場合に追加的に設定する基準として、検査施設の第三者認定については,遺伝子関連検査等の質の保持や,セキュリティー確保など国際的基準のISO 15189等に準じた高い施設基準や置運営規則が必要だということ。

    薬機法未承認の遺伝子関連検査をクリニカルシークエンスとして実施する場合は、国際的な外部精度管理(ISO15189、CAP)等を受けた検査室で行うことが求められること。

    といった、品質管理に関する提言が多く含まれています。

    また、品質管理と同様、病院一元管理体制の必要性に触れた意見も出ていました。

    「具体的な外部精度管理の要件等については今後の検討課題」とされていますが、当然のことながら、「質の確保された」検体、検査が大前提とされるものとなっています。

    弊社が提供するソフトウェア「Carly」を導入すれば、情報の一元管理も実現できます。

    「品質管理」についての記事も書いていますので、ぜひ読んで下さい。

     



    参考:国際的認定制度としては、下記の3つがよく知られています。
    1)ISO15189 ISO(国際標準化機構)で定められたISOのうち、臨床検査室に特化したISO
    2)CLIA基準 米国臨床検査ラボの品質保証基準。臨床検査改善修正法案(CLIA: Clinical Laboratory Improvement Amendments )
    3)CAP-LAP (CAP: College of American Pathologists)が実施する臨床検査室認定プログラム(臨床検査室のハード及びソフト面での査察プログラム)